不渡りを出すと倒産するのは本当か?知っておきたい不渡りを出さない資金繰りのコツ

よく不渡りを出した会社は倒産するといいますが、厳密には不渡りを出したからといって即倒産するわけではありません。ただし、不渡りを出したというのは会社によって非常に危険な状態であるということには変わりありません。

本記事では不渡りとは何か?なぜいけないのか?どのように不渡りを出さないように対策するべきかについて説明します。

【不渡りはうっかりミスでは発生しない】

まず、不渡りとは何なのでしょうか。不渡りとは発行した手形や小切手が支払期日を過ぎても決済できなかったことを指します。つまり、当座預金の口座を持っている企業しか不渡りは起こすことはありません。ただ銀行への融資の返済に遅れてしまったりしたというだけでは不渡りとは言わないので安心してください。

ちなみに、仮に当座預金の口座にうっかりお金を入れ忘れていたといううっかりミスでも不渡りは発生しません。当座預金を利用している場合、当座借越契約を結んでいれば手形や小切手の決済によって残高が不足してしまっても契約した金額の分だけ自動的に銀行が企業に対して融資をおこなってくれるからです。(ただし、ある程度銀行からの信用が厚くないと当座借越契約を結ぶことはできません。)

また、仮に当座借越契約を結んでいない場合や当座借越契約の金額を超える決済をして残高がなくなった場合でもいきなり不渡りということにはなりません。通常の場合、手形や小切手を預入られた場合決済は翌日となります。つまりその時点で残高が不足している企業については銀行から当座預金の残高が不足していて不渡りが発生しそうだという連絡が朝から来るので、その時点で気づいて当日15時にまでに残高の不足を解消すれば不渡りを防ぐことができます。

銀行も不渡りを発生させないように必死で対策を行います。不渡りは会社の倒産に繋がりかねず、融資先が倒産するということはすなわち銀行からの融資が貸し倒れになる可能性があるからです。

よって、うっかり口座残高が少なくて不渡りが発生してしまうというのはよほどの偶然が重ならない限り発生しません。不渡りを出すということは資金繰りに問題を抱えている可能性が高い企業だと言えます。

【不渡りを出さないための資金繰りのコツ】

では、不渡りを出さないためにはどうしたら良いでしょうか。まず、論理的には当座預金を利用しなければ不渡りは発生しません。不渡りは当座預金の残高不足によって発生するからです。

例えば、取引先に商品の仕入れ代金を支払うという場合でも買掛金として決済するか、支払手形を振り出して決済するかでリスクは大きく異なります。今後の取引に影響は発生しますが買掛金の支払いに遅れただけでは不渡りとはなりません。本当に資金繰りが危ない場合は取引先に相談して1か月位支払いを待ってもらえるかもしれません。しかし、手形を振り出した場合、その手形が銀行に預け入れられれば必ず期日までに支払わなければ不渡りとなります。つまり、資金繰りが危ないときは手形や小切手で決済するのではなく買掛金や未払い金として決済した方がいざというときに深刻な問題となりません。

更に重要なのは不渡りを出しかねない状態になる前に経営状態を立て直すことです。特に不渡りを出すということは運転資金が不足している可能性が高いので経費削減やリストラなどによってできるだけキャッシュアウトを防ぐようにすぐ対策を行うべきです。また、早めに運転資金の不足に気づいて手当した方が良いので資金繰り表はきちんとつけておいた方が良いでしょう。

【不渡りを出すとどうなるのか】

仮に上記のような対策を行っても不渡りをおこしてしまった場合どうなるのでしょうか。よく「不渡り=即倒産」というイメージがありますが、不渡りを出したからといって即倒産するわけではありません。

不渡りは各手形交換所が定めている手形交換所規則というルールによってどのように対処するかが定められています。東京、大阪など手形交換所によって規則が定められていますが、不渡りのルールはだいたい一緒なので深く気にする必要がありません。

手形交換所規則では0号不渡りから2号不渡りまでの3種類の不渡りの自由が定められています。0号不渡りは形式不備や期間が過ぎているなどの理由による不渡りで、2号不渡りは契約の不履行や偽造、盗難・紛失による不渡りです。会社経営において問題となる不渡りは残高不足などによって発生する1号不渡りです。

手形交換所規則によれば、1号不渡りを出すと、不渡りを出した企業は不渡り処分を受けて全国の金融機関の情報が通知されます。更に6か月以内に2度目の1号不渡りを出せば銀行取引停止の処分を受けて2年間当座預金口座を使用することと銀行からの融資を受けることができなくなります。

半年で2回目の不渡りを出すことが危ないことは規則から明らかですが、先ほど説明したとおり不渡りはうっかりで発生するものではなく、資金繰りの悪化によって発生するものなので、1回目を出せばすぐに2回目を出す可能性は高いと言えます。またこのような理由から1回目の不渡り処分によって通知が来た時点でその企業と新規の取引を行わない、取引があってもできるだけその企業への融資を回収しようとするインセンティブが銀行に働きます。よって、実質的には1回でも不渡りを発生させてしまえばその企業は倒産に近づきます。

【もしも不渡りがでてしまったら?】

では仮に不渡りがでてしまったらどのようにすれば良いのでしょうか。まず有力な方法は会社を一度畳んでしまうということです。不渡りを出している状況ならばおそらく急激な資金繰り改善を行うのは困難なので、いっそ倒産させてしまった方が経営者としてもリスクは少ないかもしれません。

しかし、経営者個人として多額の融資の連帯保証人になっていたり、事業としての将来性を信じている場合、不渡りを出しても会社を続けたいと思うかもしれません。その場合に必要に必要なのは会社の規模を大幅に縮小することです。

不渡りを出したことによっておそらくしばらくは銀行からの融資を受けることが困難なので、銀行からの融資が無くても運転資金が足りるように会社の規模を縮小する必要があります。その際には、採算性の高い事業だけを残し売り上げを減らしても高収益体質の会社に生まれ変わらせることが必要です。

【最後に】

以上のように不渡りを出したらどうなるのか、その対策について説明してきました。不渡りはうっかりミスでは発生しませんが、万が一の不渡りを防ぐためには当座預金を持たないことが最大の対策です。買掛金による決済の方が万が一不払いを発生させてもリスクが低いので下手に小切手や手形を発行するよりも買掛金決済の方が経営上リスクは低いと言えます。

規則上は半年に2回の不渡りを出すと危ないのですが、実質的には1度不渡りを出しただけでも銀行からの新規融資を受けられる可能性は低くなり、状況によっては担保や保証人の追加を求められたり、融資を回収しようとされたりする可能性もあるので絶対に不渡りを出さないように注意してください。

仮に不渡りを出した場合、建設業のように手形中心の決済の場合、その後の経営が厳しくなりますが、現金取引が多い業種の場合まだ挽回できる可能性もあります。会社を倒産させずに挽回を図る場合、しばらく銀行からの融資を受けることが困難だと考えられるので自己資金だけで運転資金を賄えるように売上を小さくして、できるだけ高収益体質の会社に急いで改革する必要があります。

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